※かみね動物園では、ふれあい・餌やり・ガイドなど、定例・スペシャルのさまざまなイベントが行われています。これらの実施時間等については、同園のサイトや園内掲示などを御参照ください。

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ゲートをくぐる前から、向こうに見えるアジアゾウ。歓声をあげて駆け込む子どももいるそうです。

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日立市の郊外……といっても駅から歩いていくこともできるような身近さの、かみね動物園。アジアゾウのミネコとスズコは、園を代表する動物のひとつです。スズコは砂浴びが大好き。足の先で器用に土を掘り、鼻で砂を集めます。

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現在、ミネコとスズコは、隣り合わせながら別々に展示されています。いろいろの要素から、その方がお互いに気楽だろうと判断されています。しかし、時にはこうして、ゾウ同士だけに通じる「会話」(?)を楽しんでいるようにも見えます。

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「おやつタイム」には、ひととき肩を並べた二頭に、手渡しで給餌が出来ます。

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「餌やり」というだけでなく、ことばや理屈ではなかなか追いつかない生の迫力が、ゾウへの関心と親しみの両方を高めてくれることを狙ってのイベントです。

 

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管理棟の二階にある「エレファントカフェ」。オリジナルの「かみねバーガー」は、地元の名産・常陸牛と蓮根を使った逸品です。ゾウを臨みながら、美味しいひととき。

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昼下がりの園内。何かが道をやってくる……

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縄文人の扮装をしているのは、日立市郷土博物館のスタッフです。5/31まで行われている「ズ-ハク」は、かみね動物園と、すぐそばにある郷土博物館の連携イベントです。御近所ながら、はじめての試み。まずは、特製の解説プレートやお互いのスタッフが相手の園館に出向いての「解説トレード」を行なっています。

 

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動物園内(博物館員による)

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博物館内(動物園スタッフによる)

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さわってみよう!

 

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さわってみよう!!

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こちらは、クマ担当の飼育員が博物館で解説を行なっている様子。

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二つの頭骨。どちらがライオン、どちらがクマ?(※)

 

※参加者の御了承を得て掲載しています(以下同様)。

 

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そんなクマたちの展示場が、こちら。「クマのすみか」は、2012/4/7にオープンしました。

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従来、ニホンツキノワグマなどの暮らしていた中獣舎(1959年設立)の老朽化を受けてのリニューアルでした。これは、当時からの飼育個体のベベ(メス・2000年生まれ)です。ボールの中の餌を時間をかけて取り出すフィーダー(給餌器)など、退屈を減らし、飼育環境を豊かにする試みは積み重ねられていましたが、やはり、限界がありました。

 

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こちらが新設当時の「クマたちのすみか」です。広くなりましたが、その分、少しがらんとしていますね。

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それから一年半。ずいぶん、「すみか」らしくなったと思いませんか。

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「器」(施設)を整備することは大切です。しかし、それを運用する飼育的配慮があってこそ、そこは生きた動物たちが暮らすのにふさわしい場になっていきます。竹筒は、中に餌を仕込めるフィーダーです。伐採木などを組み立てるときも、クマでも壊せないがっちりした部分も、あえて、かれらが遊び道具に出来るように外しておく部分もつくるのです。

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施設の周りの斜面に植えられた、あれこれの果樹もまた、クマたちのごちそうになります。野生での、さまざまな食物を取る暮らしに、少しでも近づけようという努力なのです。

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新施設になってから、ベベのパートナーとして、やってきたオスのナオ(2009年生まれ)。年齢差からベベに押される感じでしたが、ようやくオスらしい迫力を身に着けてきました。野生でも単独生活を送るクマたち。かれらのペースを見極めながら、今年も5月以降にペアリングを試みる予定です。

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こちらも、「クマのすみか」が出来てからの新顔。エゾヒグマのメス・アイとエリコです。彼女たちがなにか待ち受ける様子なのは、こうして「おやつ」が与えられる時間だからです。

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プールに落ちた分も、抜群のバランス感覚で、この通り。

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二頭いれば、個性も分かれます。水遊びが好きなエリコとは、ウィンドウ越しの接近遭遇のチャンスも多くなります。一方、アイは土を掘るのが大好き。これもまた、冬ごもりの穴を掘ったり、植物の根などをあさったりするクマにふさわしい行動です。アイの「力作」は、毎日、飼育員が埋め戻し、翌日の「再開発」に備えるのですが。

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クマたちと並ぶかたちで展示されているネコ科の猛獣たち。ライオンは現在、オス1・メス4ですが、交代制で展示場に出ています。

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かたや、クマと同様、単独を基本とするトラ。さわは、時にはブイを使った豪快な遊びも見せてくれます。

 

猛獣たちの「遊び」は、かれらの野生での狩りや餌探しの行動が、かたちを変えて現れているのだと考えられます。展示としても心躍るものですが、動物たち自身の暮らしにリズムを作り、豊かにする効果が期待されます。

そんなわけで、かみね動物園では、昨夏、ひとつのユニークな試みが実行されました。ジーンズの素材となる布をタイヤなどに巻き、猛獣たちに遊ばせます。その後、回収した布をジーンズに仕立てます。動物たちの爪痕・咬み痕によるダメージ・ジーンズ。名づけて、「ズージーンズ」。

ネット・オークションによる収益は、世界自然保護基金(WWF)とかみね動物園に寄付されました(オークションは既に終了しています)。

展示の向こうにある「動物たち自身のしあわせ」を、目に見えるかたちで実感させてくれるイベントでした。

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頭上のネット・パイプをアメリカアカリスが利用するのは、小獣たちの複合展示施設「カピ!バラエティハウス」(※)の入り口。このゾーンでも、動物たち本来の習性を活かした飼育・展示の工夫に出逢うことが出来ます。
※同施設は、老朽化と、2011年の東日本大震災で寿命が尽きた、旧・小獣舎の敷地に、飼育員たちが中心となって、知恵を凝らしてつくりあげられました。リニューアルに当たっては、国内の150施設を超える動物園や水族館の集まり・日本動物園水族館協会に寄せられた義援金が役立てられました。同協会のサイトで、いくつかの呼びかけや報告の文書(PDF)を閲覧することが出来ます(※)。カピ!バラエティハウスには、動物園・水族館同士の連帯や、これら施設への一般利用者の想いの力も込められているのです。
※ホームページ内の「JAZAからのお知らせ」の一覧を御覧ください。

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カピ!バラエティハウスの一角。見上げれは、アライグマたちと対面。かれらの器用さを支える、繊細な指先や柔軟な足裏も観察できます。

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足元には、アフリカタテガミヤマアラシ。巣穴を掘るかれらの生活が、ぐっと身近に感じられます。

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そして、コツメカワウソの給餌解説です。竹の先に魚を着けて、かれらに「狩り」をしてもらいます。

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穴を開けた竹筒に魚を仕込んでも、手先の器用なかれらには、この通り。手先を活かした捕食も、コツメカワウソの特徴です。にぎやかな動きを見ながら、しっかりとかれらを知ることが出来ます。

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フェンス越しの、カピバラへの餌やりも人気です。齧歯類独特の発達した切歯(前歯)も観察できます。

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ホンドタヌキのムギ(オス)も、カピ!バラエティハウスの住人。狸寝入りではないようです。

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再び、園外での連携イベント。日立駅前にある日立シビックセンター内の科学館に出張し、同館の春のイベント「きて、みて、体験!空飛ぶチカラ」の一環として「出張 ハネハネ教室」を行ないました。

顕微鏡で拡大した羽毛の仕組みを、身近なダウンジャケットを使いながら説明します。

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楽しいお話や、与えられた羽の持ち主クイズなど、参加者の気持ちがひとつになる時間です。

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最後は記念に、本物の羽毛で、しおりづくり。

 

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そして、記念撮影。教室終了後にも、持ち込まれた生きたニワトリとの、ひとときのふれあいがありました。

動物園ならではの魅力、そして、外とつながることで広がる可能性。かみね動物園は、さまざまな施設や、その時々の参加者の皆様とともに成長中です。

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さて、さきほど、顕微鏡で拡大されていた羽毛の主は、こちら。アフリカゾーンで気ままに暮らすホロホロチョウです。アミメキリンやハートマンヤマシマウマの展示場でも歩き回っています。

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ペアの、キリナとシゲル。昨年(2014年)に新設成ったキリン舎で暮らしています。かれらの後ろに見えるバルコニー……

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こんな餌やりイベントも行われています。

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そして、キリナとシゲルの仲のよさの証。オスのシゲキは2014/8/22に生まれました。かみね動物園にとって、35年ぶり・2度目の快挙でしたが(※)、当のシゲキの現在は、父母と同居しつつ、のんびりマイペースの暮らしです。

 

※今年行われた「KMN(かみね)動物園第2回どうぶつ総選挙」でも、キリンは堂々の一位で、次回の園内パンフレットの表紙を飾ることが決まっています。

 

 

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まもなく完成予定のホンシュウジカの新施設。2007年に開園50周年を迎え、さらに歴史を重ねつつある、かみね動物園。そこには、さまざまな出来事や記憶が詰まっています。それを掘り起こし、見つめ直すのは、意義深いことと思われます。

しかし、動物園ひいては動物たちの暮らしは、和やかなものでこそあるべきでしょう。かみね動物園のこれまでの歩みも、そんな穏やかな「動物時間」を築き、守り育てる営みであったのではないでしょうか。春から初夏への移ろいの中で、わたしたちも先を急がぬ徒歩の安らかさで、動物園の「温故知新」を楽しみましょう。

 

 

参考資料

生江信孝・かみね動物園長の連載エッセイに多くを学ばせていただきました。記して、感謝の意を表します。

 

 

日立市かみね動物園

公式サイト

園内からのぞめる太平洋のように、豊かないのちに活気づく動物園

〒317-0055 茨城県日立市宮田町5-2-22

電話番号 0294-22-5586

飼育動物 約70種500点

開園時間:

3~10月(夏期) 9~17時(入園は16時15分まで)

11~2月(冬期) 9~16時15分(入園は15時30分まで)

休園日:年末年始(12/31~1/1)

  • アクセス

JR日立駅からバスで、約10分。

その他、こちらを御覧ください。

 

 

 

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